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2010年3月15日 (月)

ホントというウソ

やっと小児救急電話相談研究会の事例検討会が終わる。
相談サンプルを聴いて検討会をしよう、と言い出したのは私だけど、
100件近いサンプルを次から次へと聞く、というのは結構難行だった。
でも、各地の小児救急電話相談が、どの程度かという実態を
おおよそつかむことができて、言ってみてよかったと思う。
我々の班に求められていることは、教育研修体制を作ることだが
実態が分からなければ手のつけようがないからだ。

サンプルを聞くとよく分かるが、みんな一様にかけ手の話が聴けていない。
これは、相談員に採用された人たちが、電話相談についての
研修をまったく受けておらず、自分たちがふだん電話でやっていることが
電話相談だと、単純に考えて始めてしまったからではあるが、
医療における、医療者のコミュニケーションの
典型なあり方が露呈したとも言えるだろう。

相手の話を聴けないのは、相手の問題を解決するのは
自分たちだと思っているからで、医療の現場ではこれがふつうである。
電話相談では、その常識を180度転換させなくてはならないが
それは、電話相談がホントとウソを識別できないからだ。
(電話じゃなくても識別は難しいけど)
それに慣れるには、まず自分を否定することから入らなければならない。
それがものすごく大変なので、研修中に辞める人が続出する。

昨日の検討会でも、
「そんな厳しいこと言ったら辞めちゃう人が出る」
という発言が参加した医師から出ていたが、
無償のボランティアならイザ知らず、
お金を(それも税金を)いただいてやる以上は
それなりのレベルのお仕事をしなきゃいけないでしょ、と言っておく。
各自治体という官は、とりあえず形になれば、他はどうでもいい
と思っているのかもしれないが、他人の金だと
気楽な仕事ができるものだと感心する。
サービスを受けるのは、払っている側の人なんだけどね。
これで少しは電話相談について理解を深めてもらえただろうか。

次に取り掛からなければならない仕事があるのだけど
一息つきたいのでダウンタウンへ。
そうだ、『ガラスの巨塔』という本を教えてもらったんだっけ
と、デパートの上にある三省堂へ。
運良く1冊だけ残っていた本を持って隣接したカフェに入る。
ここは買う前の本を持ち込んで読むことができるのだ。
それにしても、やけにカフェが混んでいる。
そういえば、午前中に久しぶりに行ったスーパーも
めずらしく混んでいた。
どういうことなんんだろうと思いながら、
結構な分量の単行本なので、さーっと読み始める。
著者は「プロジェクトX」のプロデューサーだった人。
NHKの内部告発もののようで、たしかにドラマ化したら面白いかも。
組織の中で上昇していくことの怖さは伝わってくる。
NHKのように、優秀な人が多ければ多いほど
その闇も深いのかもしれない、と思わされる。
「プロジェクトX」は2,3本見たことはあるが、
作りがパターン化しているのが分かった時点で、見るのを止めてしまった。
作り手は、本当の感動物語、を提供したかったのかもしれないが
みなさん、こういうのが好きでしょ、
と言われているみたいで白けちゃったのだ。
こちらが直接お金を払うと、健康優良児のための
道徳教育番組のようなものを見せられ、
間接的な場合は俗悪番組を見せられる、
というテレビメディアの構造が、どうもいまひとつよく理解できない。
こちらが見たいのは、ホントというウソ、なんだけど。

ERテレフォンクリニックウェブサイト: http://homepage2.nifty.com/er-telclinic

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