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2010年11月22日 (月)

『Rose』

やっと千葉・県民芸術祭第36回「現代バレエ合同公演」が終わった。
今年はぐっと演目が絞られて、
各賞表彰とモダンダンス合同作品を除く演目は10作品。
それだけに先生の指導にも熱が入る。
この『Rose』という踊りは、先生がアルハンブラ宮殿を訪れた際に
インスピレーションを得て創られた。
過去にも何回か公演がおこなわれており娘も出たことがあるが
私にとっては初めて舞台で踊る作品である。
長~いドレスの裾を踏まずにうまく踊れるか、とか
スカートを上手に持って形よく見せられるかるか、とか
課題は山積みで練習に突入。

先生の厳しい指導をこなそうとして、途中で腿の付け根の筋肉を痛め、
マッサージに通ってリハビリをする羽目に陥る。
一旦痛めた筋肉は、トレーナーの先生が言うように
なかなかすぐには元通りにならず、本当に出演できるか不安だった。
でも、おかげで運動選手の気持ちが少し分かった気がする。

今年は本番の前日に舞台稽古ができることになり、
早めに場当たりができたのは助かったが、出来は散々で
われながら落ち込んでしまった。
「どうだった?」と夫に聞かれて「全然ダメー」と答えたら
観に行く予定の夫の方が心配になったらしく
一生懸命慰めてくれているみたいなのがおかしかった。

前日の夜は、ベッドの中で踊りのシミュレーションをしているうちに眠れなくなり
しかたがないので、夜中に公演のビデオを見直して音と動きを確認して
やっと4時間ほど眠ることができた。

当日は午前中にリハーサル。
位置取りを再度チェックし本番どおりの照明の中でおこなう。
前日の舞台稽古よりはよかったみたいだが、
私自身は集中できていなくて、ところどころでボロが出ているのが分かる。
でも先生はここへきてからは、何にも言わない。
あとは自分で何とかするしかないのだ。
これから18時の本番まで、身体をアイドリングさせながら
集中力を高めていってミスをしないで本番を終わらせなければならない。

他の作品のリハーサルを見ながら少し居眠りをし、前日の睡眠不足を取り戻す。
途中下手に引っ込んでから上手へ移らなければならないが、
舞台の後ろを通れることになって、少しホッとする。

そして本番。
暗い状態で鳴り始める音に少し戸惑うが、明るくなるにしたがって落ち着く。
仲間のドレスの赤い色を、きれいだなあーと思っている自分がいる。
ひとつひとつのポーズを丁寧に踊ることに集中していると
不思議なことに、いつもに比べて時間がゆっくり流れている感じがする。
こんなにゆっくりな音楽だったっけ?という感じだ。
鬼門だったターンの部分もゆったりとそつなく踊ることができて
それなのに、下手に引っ込んだときには、あっという間だったなと感じる。

最後の場面は舞台裏を通って上手に移り、そこから出て行く。
一番最後のスカートの美しさを見せる難しい部分は
練習でも、舞台稽古でも、リハーサルでも、なかなかうまく出来なかったのに
本番では成功し(足が見えてしまったかもしれないが)、
ラストは全員で闇の中に消えて公演は終わった。
先生が言うように、観客を呼吸でひきつけられたかどうかは定かではないが、
自分だけでなく、踊り全体が落ち着いた雰囲気だったのは感じとれた。
何より、途中で足がつったり転んだりというアクシデントで
迷惑をかけることもなく無事に終了してよかった!

観に来ていた仲間の「見ていて涙が出ちゃった」と言うセリフは割り引くとしても
終わったときの夫のホッとした表情は、観る側に何かを残したということだろう。
先生に怒鳴られまくった甲斐があったというものである。

ERテレフォンクリニックウェブサイト: http://homepage2.nifty.com/er-telclinic


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