« 自堕落な人生 | トップページ | 電話相談における2つの視点 »

2011年11月21日 (月)

『見知らぬ国の踊り』

今年の千葉県民芸術祭「現代バレエ合同公演」が終わった。
リハーサルから本番まで5時間余りの空き時間を
コントロールするのは、なかなか大変だったが
本番で足が攣りませんように、と祈ったおかげか
なんとか無事終了。

今回の舞台は、ひとつの作品に
おとなとこどもの両方が登場するというもので、
タイトルは『見知らぬ国の踊り』
大地に感謝して幸せを謳歌するどこかの国、の踊りである。
ある種の桃源郷を描いたものといってもいいかもしれない。

曲は坂本龍一の『ダンスリー』というアルバムから
2曲を先生が選び、編集。
このアルバムは、先生が手首の骨折で入院していたときに
私がお見舞いに持参したもので、入院中の退屈な時間に
先生の創作意欲をかきたてるのにいいかも、
と自分のお気に入りから選んだのである。
84歳の先生の創作意欲を喚起したと思うと、気分がいい。

先生が
「みんな年を取って、激しい踊りがだんだんできなくなってきたから
今回は楽なのにしたわよ」と言うように、
振り付け自体は覚えるのにさほど苦労しなかったが、
ところどころ筋力の衰えを痛感する部分もあり、課題が見える。

出演するこどもは4歳から中学生までと幅広い。
坂本龍一のアルバムらしく、拍子とメロディーが複雑に絡む
結構難しい曲にも関わらず、特訓のおかげか
みんな実に達者である。
おとなはどうしても数で振り付けを理解しようとするが
こどもはメロディーに自分を溶け込ませて
自然に体が動いている。

それでも先生の指導は容赦ない。
腕の伸ばし方、目線といった技術的なことだけでなく
「大地に感謝する踊りなのよ」と4歳の子にも言って聞かせる。
言われた本人は分かっても分からなくても、とにかく
「はい!」といいお返事である。

一緒に出ているだけで、雰囲気が和やかになってしまう
ところは、こどもの力に負うところが大きく
その意味では、大地だけでなくこどもにも感謝である。
しかし、年を取って難しいことがこなせなくなっても、
そうやって観客を楽しませる舞台を作り上げてしまうところは
振り付け師であり演出家でもある先生の腕によるところが大きい。
こういう分野には後継者というのはいないのかもしれない。

踊り終わって楽屋に戻ったら、小さい子たちがやってきて
「楽しかったあ !」
ほんとに楽しかったのである。
先生の「よくできました」も嬉しいけれど、
一緒に踊ったこどもからこう言われるのは、それ以上かもしれない。

ERテレフォンクリニックウェブサイト: http://homepage2.nifty.com/er-telclinic

|

« 自堕落な人生 | トップページ | 電話相談における2つの視点 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『見知らぬ国の踊り』:

« 自堕落な人生 | トップページ | 電話相談における2つの視点 »