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2012年2月20日 (月)

匿名と非匿名のあいだ

最近になって、グーグルクロームの画面に
「クロームにログインしていません」という
メッセージが出るようになった。
クロームを使っているのに
クロームにログインしていない、
というのがよく分からないが
よく分からないので反応しないことにする。
データ収集のための戦略なのだろうが
グーグルもいろいろ考えているようである。

データ収集で面白いと思うのはアマゾンだ。
本だけでなくDVDや食品、衣料雑貨なども
購入しているから、いろいろな案内が来る。
利用し始めの頃は、お勧めの本の提案
という斬新さに仰天したものだが、
最近はあまり最新のデータ、という感じはしなくなった。
ひとつには、一時期息子の買い物を私が
代行していたこともあり、あまりにデータが雑多で
絞り込みができなくなったからなんじゃないかと思う。
絞り込みができなくて困惑し、それでも律儀に
メッセージを出しているコンピュータを想像すると妙におかしい。
もうひとつは、私にかぎらず、人間自体が複雑系で
秩序と無秩序の境界にいるからだろうけど
買う、買わないにかかわらず、情報収集のために
アマゾンを覗く、という閲覧情報は、どういう風に
分析されているのだろうかと考えると興味深い。

アマゾンのブックレビューにしても、
当初は役に立つと思ったものだが
レビューに従って購入してもピンとこなかった例を
いくつか経験するうちに、だんだん参考程度にしか読まなくなった。
当たり前のことだが、他人と自分は違うのに
どうしても、みんなと同じはず、同じでありたい
という方向に引っ張られてしまうのである。
レビューを読むことで、そういう自分がいる
ということが自覚できたのは収穫だったけど。

「ためらいのリアル医療倫理」は、著者の岩田健太郎さんが
自分のブログでアマゾンのブックレビューへの反論を
書いていたのを読み、ブックレビューを読みに行って、
ブックカフェで試し読みした結果買いになった本である。

患者に対する医療者の距離感は
みんながみんな同じではないというような、
当たり前の、でも誰もなかなか公に口にしないことが
内田樹風の口調で書かれている。
(あまりに内田風なのもどうかと思うけど)
だから、みんな機会があれば
お医者様と仲良しになりたがるのだろう。

天皇陛下の心臓バイパス手術の報道を見ても
それが当たり前なことがよく分かる。
医師団にとって、この手術だけは、

絶対

に失敗できないものだったはずである。
情報が完全にオープンになっている、
ということもあるが、なにしろ患者が患者である。

もし失敗したら、どのように事態を収集することに
なっただろう、とシミュレーションしておくことは
医療事故対策として案外役に立つんじゃないか
なんて考えたりする。

ERテレフォンクリニックウェブサイト: http://homepage2.nifty.com/er-telclinic

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